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道尾秀介著 「片眼の猿」

 またしても、なんか謎めいた感じ。いかにもなんか隠し玉を用意してういる風に始まり。わざと、読者にすっきりさせないように、進んでゆく。出てくるキャラクターが、どこか変な気もするがなんかはっきりしない。
 そこがまあ、読者を裏切って、見事に予想以上の種明かしするところが、この作家の非凡なところ。まあ、びっくりするわ。しかも、ちゃんとミスディレクションもちりばめられていて、「ああ、そうか」と納得。
 でも、「向日葵の咲かない夏」の超ウルトラC級の着地ほどではなかったけど、まあ、これはこれで。
 まあ、あまり従来のミステリとして、読むと「えー、そうなるー?」と展開に疑問を持ってしまうので、道尾作品は、どちらかというと、幻想小説と言ってもいいのかな。そして、ちゃんと、読者へのメッセージも伝えている。
…きみの心の傷は治る。傷ついた自尊心はいつでももとのかたちに戻すことができる。人間の心は、ほんとうは永遠に傷ついたりなんて出来やしないんだ。はじめの傷が塞がろうとしたところに、また言葉を詰め込んで,とがった爪でひっかいて、新しい傷を重ねているだけなんだよ。…   人間というのはけっきょく、記憶なのではないだろうか。姿かたちが人間をつくるのではないし、見聞きしてきた事実が人間をつくるのでもない。事実の束をどう記憶してきたか。きっとそれが人間をつくるのだろう。そして、事実の束をどう記憶するのかは、個人の勝手だ。自分自身で決めることなのだ。…
 そして、最後にこうつぶやかせる。…眼に見えているものばかりを重要視する連中に、興味はない。 少しきびしめで75点。
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